特集

最古の登窯復興をシンボルに地域団体が一丸となって「丹波焼の里」活性化に取り組む

公開日:2019-09-25

-日本六古窯の一つ丹波焼の“最古の登窯復興と丹波焼の里活性化プロジェクト”立ち上げ!-

丹波焼は日本六古窯の一つに数えられ、平安末期より約800年の歴史を持つ。「丹波焼の里」には120年間使い続けている現役最古の登窯があり、兵庫県の「有形民俗文化財」に指定されている。阪神大震災等の影響等により、窯体の損傷が進んでいく中で、地域団体が一丸となってこの窯を守るべく登窯復興事業を通して、築窯技術・窯づくりの技法を若手の窯元に継承していくため、平成26年度から「最古の登窯復興と丹波焼の里活性化プロジェクト」を立ち上げ、約2年にわたり修復事業を実施してきた。

 

-丹波焼の里のシンボルとして利活用できる体制を確立!そして修復作業や内外への情報発信・参画を促進!-

兵庫県指定文化財である登窯の管理者を3窯元の共同管理から当組合に移行し、丹波焼産地の活性化に向け丹波焼の里のシンボルとして利活用できる体制<活性化委員会図(参照)>とした。平成26・27年度の2ヵ年で当組合が中心となり多くのサポーターの協力で登窯の修復作業を実施。これを契機に当組合と兵庫陶芸美術館が中心となり、篠山市など地域団体で「最古の登窯復興と丹波焼の里活性化推進員会」を発足。将来を見据えた最古の登窯の有効な利活用策の検討。修復の各段階・場面において、適切な情報発信を行うと同時に、様々なイベント・事業を企画・開催し、丹波焼の里に関心を持つ多くの人々の参加を促し、丹波焼や丹波焼の里の魅力を内外に発信した。

-登窯の築窯技術・窯づくりの技術が若手へと継承される大きなきっかけへ-

毎年10月約10万人が来場する人気イベント「丹波焼陶器まつり」や毎年ゴールデンウィーク中の「春ものがたり」を実施。期間中は窯元群窯元「開放工房」として日頃お客様にとって敷居が高い工房や窯場を開放、自由に出入りし、陶工の技を間近に観て丹波焼をより身近に感じてもらう場を設けている。また窯元が自分の作品と個性を自らの企画で来場者へアピールする窯元イベントも開催され、新たなお客様・ファンの獲得に寄与している。
丹波焼の里の応援団である「丹波焼の里サポーター」の拡充やスキルアップ、「立杭陶の郷」内で窯元横丁の設置や陶芸教室の運営、県内小学校への陶芸教室の実施(年間500名の受入)等地道な組合活動や地域貢献活動を行い、こうした事業が登窯の築窯技術・窯づくりの技術が若手へと継承される大きなきっかけとなっている。

-「丹波」という地名ブランドを活かし、「丹波焼」の認知向上と販売強化へ!-

丹波焼を守っていくためには組合員である窯元が存続していかなければ実現できない。そのためには各窯元の販売力を向上させる必要がある。組合として今後力を入れていきたい販売方法としては、「立杭陶の郷」での販売強化が一番。兵庫県では「立杭」という名前は知られているが、近畿圏・全国ではほとんど知られていない中で「丹波」という地名ブランドを活かし「丹波焼」と統一して知名度向上を図るべく各窯元が顧客志向に合った新商品の開発や新規開拓へそしてその取り組みが若手窯元を育てる活動になると考えている。

第42回丹波立杭陶磁器まつり

丹波立杭陶磁器協同組合では、2019年10月19日(土)~ 20日(日)の2日間、立杭陶の郷(丹波篠山市今田町上立杭)丹波篠山市今田支所周辺、各窯元を会場に行います。

 丹波焼の陶器市や企画展示、丹波篠山の秋の味覚を満喫できる農産物、飲食、物産のコーナー等、芸術と味覚を集約したイベントです。
陶器市会場では、約40軒の窯元が出展し、お気に入りの器を購入できます。

詳しくはこちらまで

丹波立杭陶磁器協同組合バーチャル展示会サイト

丹波立杭陶磁器協同組合サイト