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先進組合事例 かすみ海上タクシー事業協同組合

公開日:2022-04-28

旅館と漁師が連携、絶景を巡る漁船を活用「海上タクシー」を運行
『かすみ海上タクシー事業協同組合』

■背景・目的
香住海岸一帯は港からアクセスしやすく、絶好の観光ポイントである。67年続いた遊覧船が運航を取りやめ、地域には「このままでは香住に観光客を呼べなくなる」という危機感が漂った。香住で旅館を営む現代表理事西本氏は、カヤックで香住の海岸線を巡り、その素晴らしい絶景に気付いていたので、遊覧船を復活できないかと考えた。商工会の助言を得て、漁師や民宿経営者ら有志が組合を立ち上げ連携して専門家や支援機関から助言を受けながら遊覧船復活の体制を整えた。

■取組みの手法と内容
まずは成功事例から学ぼうと先進地視察研修を実施。京丹後市「遊漁船とび丸タクシー」に2回、新温泉町「御火浦海上タクシー」に2回、計4回視察に訪問した。ある船長から「漁師の協力もなくこの事業ができるものではない」と助言を頂き、当初宿泊業者のみで事業を計画していたが、漁師仲間に声を掛け共同体制を整えた。また海運事業を行うため神戸運輸管理部運航労務管理官による検査・安全指導講習、香住海上保安署の検査を受け有料遊覧船事業の体制も整えた。遊覧船の魅力の一つは船長の語りである。現役船長からガイドのノウハウを学ぶガイド研修を実施した。またコース設定も重要である。漁船の小回りを活かし、手に触れられそうな距離まで近づいて、自然の神秘を間近で感じられる30分・60分・90分の3つのコースを設定、先進地に差別化できるコースが完成した。組合員である宿泊業者を中心に、運航前からお客様へPR、報道関係者に広告宣伝を実施。令和元年5月「かすみ海上GEO TAXI」の運航スタート。運航開始後も商談会に出展、異業種交流会を実施するなど広報活動に努めた。

PR用ポスター

■成果とその要因
令和元年目標有料乗船数600人に対して938人(計画比約1.5倍)。乗船客は「こんな間近で香住の絶景を体感出来て凄い」と満足度も高かった。要因は「遊覧船を復活させたい」という熱い思いで集った漁師(漁業者)・宿泊業業者・食品製造業・小売業等、異業種の組合員の結束力と町、商工会、山陰海岸ジオパーク内の他地域プロジェクトなどの支援、協力を得られたこと。また多くのメディアに取り上げられたことが寄与した。

絶景スポット「青の洞窟」

point!
「遊覧船を復活させたい」という組合員の熱い思いと結束・連携力が行政、支援機関、金融機関、先進地などの支援、協力を引き出し成果に結びついた。

先進組合事例抄録
(収集年度:令和3年度)より

 

企業・団体の紹介

先進組合事例 かすみ海上タクシー事業協同組合

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かすみ海上タクシー事業協同組合

地域:但馬地域

業種:団体・組合

出展企業情報