丸一興業株式会社は、創業以来一貫して物流用梱包に携わりながら、梱包の新しい可能性を追求してきた。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)の支援をいかに利用されているのか、代表取締役の田中氏に話を伺った。
中央会については以前から存在は知っていた。だが、その支援の流れを知ったのは、所属する(協組)尼崎工業会の青年部「青年経営研究会(青研)」での役員就任がきっかけだった。長引く不景気の下、青研では、生き残りをかけて皆で勉強しよう、教え合おうという大きな流れが生まれていた。青研と太いパイプのある中央会の青年部「兵庫県中小企業青年中央会(兵青中)」も同様だった。
中央会からの声がけで兵青中のプレゼン会や勉強会、講習会などに参加。異業種だが若手経営者として同じ立場の仲間たちとの交流が始まった。強化ダンボールなどの硬質紙ボードを使用し、高品質なディスプレイ什器を製作する環境配慮事業「bolda事業部」を立ち上げていたこともあり、プレゼンや展示の機会をフル活用してアピールした。
中央会が初めてグループ出展した「国際フロンティア産業メッセ2010」では、中央会ブースの硬質紙ボード製什器を製作。その時納めた机やパンフレットスタンドは現在も活躍中だ。2011年、バーチャル展示会HYOGO!出展企業を中心に開催された「ビジネスマッチング&交流会」の看板も担当した。
中央会での活動を通じて知り合った企業からの引き合いも数多く生まれた。神戸マラソンで恒例となっている「東日本復興支援チャリティ」や姫路の「三ツ山大祭」での(一社)日本燐寸工業会の展示物『燃えないマッチでつくるオブジェ』の土台は同社の作品だ。「木のように強く、ダンボールのように軽く、そして100%リサイクル可能」な什器たちはいつも注目の的となった。
2013年には自社も「国際フロンティア産業メッセ」に出展。インターンシップの学生を受け入れ、フレッシュなパワーをもらった。
中央会は「新しいこと、社会に貢献できることを一生懸命やっている企業を全力で応援してくれるところ」と評価する。個々の企業に合わせて国や県の補助事業を利活用できるよう提案し、サポートしてくれる。でも、その活動内容をよく知らない人も多いと分析する。新製品開発や新たなビジネス展開など、前向きな悩みはどんどん相談すればよい。青年部などもあり、門戸は広く開かれている。
そんな同社は、さらなる展開のため「ミラサポ」の専門家派遣事業を活用中だ。BtoB一筋に磨いてきた技術をBtoCへ展開すべくホームページやSNSの強化に取り組んでいる。