兵庫県パン商工組合は、兵庫県学校給食パン、米飯協同組合や兵庫県パン協同組合の連合組織として設立し、兵庫県下のパン屋を束ねている。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)の支援をいかに利用されているのか、事務局長の相澤氏、顧問の三村氏に話を伺った。
兵庫県パン協同組合の歴史は古く、昭和20年代に遡る。高度成長、オイルショック、バブル期とその崩壊、長引く不況…昭和から平成へと激動の時代を歩み現在に至る。中央会とは商工組合設立時以来の長い付き合いだ。当初は主に商工中金とのパイプ役として中央会が存在していた。
近年では、「活路開拓実現化事業」、「研修会事業」などを活用し、セミナーや講習会を行っている。主催する「パングランプリ兵庫パンコンテスト」でもインターン学生を受け入れ、facebookなどを利用した情報発信を行い好評を得た。
町の小さなパン屋では、後継者問題やコンビニの台頭、設備の老朽化など、悩みが絶えないのが現状だ。
パン屋を活性化するためには、何より集合体である組合が元気でいることが肝要と考える。ゆえに常にアンテナを張りめぐらせ、情報収集に努めてきた。
歴史ある「兵庫県のパン」というブランド力をいかに高めていくのか、小さなパン屋の存在意義をいかにアピールするのか、抱える課題が多い中、中央会の支援を個々のパン屋へも広げたいと尽力している。IT化も必須と考える。
組合員の「株式会社原田パン」は、専門家派遣や「バーチャル展示会HYOGO!」など、中央会の支援を活用し、ホームページや動画での情報発信に成功した。職人の意識も高まり、パングランプリへも積極的に参加している。
多くの団体、中小企業を傘下に持つ中央会には、異業種との交流、コラボレーション実現へのさらなる仕掛けづくりを期待している。
今年は「第5回日本全国ご当地パン祭り」が神戸にやってくる。東京以外での開催は今回が初となる。中央会主催の「ひょうご特産品フェア」との同時開催で盛り上げる予定だ。
また、昨年に続き神戸市、中央区後援の「見る・知る・食べる・パンのまち神戸」も予定している。
「パンのまち神戸」、「兵庫県のパン」の魅力をPRし、パンの地位向上を目指す歩みは続く。