菊水ゴルフクラブは、神戸市兵庫区と北区にまたがる菊水山に位置するショートコース、練習場、スクール、ショップから成るゴルフ関連の総合施設だ。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)主催の「ITでプロモーション大会2015」において見事最優秀賞に輝いた。その取り組みについて支配人の北氏に話を伺った。
大会のことは月刊配信の中央会メルマガで知った。以前からブログやfacebookなどを使った情報発信を主導していた氏は、さらなる勉強のためにと先立って行われたセミナーに参加し、大会への参加を決めた。期間内に賞を競い合うという形式は、ゴールが明確化され、また、他の参加者の取り組みも刺激となり、意識を高めるのに役立ったと振り返る。
大会にはスタッフ一丸となって取り組んだ。通常業務を行いながらの情報発信は簡単ではない。一人一人に趣旨を理解してもらい、協力してもらうためにはかなりの努力を要したことは想像に難くない。しかし、返ってくる反応が助けとなった。新しく始めたInstagramでは、フォロワー、いいね、コメントの数などで反応がダイレクトに伝わってくる。これがスタッフのモチベーションアップにつながったと言う。
SNSでの情報発信は、経営戦略上強力なツールになり得るということをセミナーで学び、利用するならばそのツールのことをもっとよく知らなければと工夫を重ねた。中でもGoogle検索に有利であり、スマホやタブレット端末利用者に人気のYouTubeは積極的に活用した。アップした練習動画をQRコードにすることで、見てもらう機会を増やすことに成功した。
お客様の写真を撮影し、SNSに活用するとともに、利用者数やパーティー構成などの分析にも利用した。以降、日報にも欄を設けて習慣化した。
大会前に水害に見舞われ、がけ崩れで練習場の一部が使用できないという状況下にあったにもかかわらず、スタッフ全員を巻き込んでの熱心な取り組みが評価され受賞につながった。
SNS成功のカギの一つは、数値として成果が確認できる点にあると分析する。数値の増加が喜びとなり、継続することができる。1か月の大会期間中も、日ごと、週ごとの数値確認がスタッフの励みとなった。
中央会はその名称から団体のための組織というイメージが強いが、実際は個人事業主や中小企業のサポートも手がけている。利用者として、まだそういった支援を知らない人たちに伝えてあげたいと考えている。支援が得られるだけでなく、参加することで他の参加者との濃い交流が生まれ、それが取引につながった例も多い。
SNSでの発信は大会後も変わらず続けている。写真の撮り方、文章の書き方にも磨きをかけるべく常に勉強を怠らない。そういった前向きな姿勢がスタッフをまとめて一つの目的に向かわせた原動力であったに違いない。