兵庫県中小企業団体中央会のコーディネートの下、株式会社亀井堂総本店(神戸市)が株式会社南あわじオリーヴ園(南あわじ市)とプロジェクトを組んで開発を進めて来た。
亀井堂総本店の5代目見習いの松井隆昌さんは、淡路島でイタリア原産種の品質の高いオリーヴの生産が始まった事を知った。数年前より、このオリーヴを用いた菓子づくりをしたいとの思いを抱いていた。
その後、松井氏は、元町六丁目商店街振興組合の活動を通じて面識のあった中央会の尾崎にこの思いを伝えた。中央会尾崎は、連携グループ集中支援事業を活用した支援のイメージができた事から亀井堂の松井氏にこの旨を伝え、支援がスタートした。
連携グループ集中支援事業では、専門家を交え、平成28年9月から月に数回、ターゲット設定、市場・ポジション設定、ブランディングなど商品企画の会議を重ねてきた。
亀井堂総本店の瓦せんべいづくりで培った素材の選定ノウハウと焼菓子の製法を用いたサブレに、オリーヴの実を含んだクリームを挟み込んだ。ざっくりした食感とバターとオリーヴの豊かな風味が広がる。
オリーヴは、明治年間には「神戸植物試験場」(現在の県公館付近)や「神戸阿利襪園」(現在の北野ホテル付近)で栽培されたとされ、日本最古の木が湊川神社に現存するなど、神戸にゆかりのある食材である。
今後、南あわじオリーヴ園で生産されるオリーヴの増産が見込まれ、また安定した供給となる見通しから、商品化を具体的に進める事が可能となった。
亀井堂総本店は、阪神・淡路大震災の当時、建物被害と職人不足で、生菓子部門の閉鎖を余儀なくされた。今回の開発で生菓子部門の復興をめざす。
4月からは「ひょうご農商工連携ファンド」の助成を受け、商品開発のペースを加速させる。主に土産用に開発を進め、平成30年度中の完成をめざす。