企業組合氷上つたの会は、地元の食材を使って「丹波お母さんの味」を発信している企業組合だ。発足は平成5年、地元で活動していたグループが集まり、漬物と草餅の販売からスタートした。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)の支援をいかに利用されているのか、秋山佐登子理事長に話を伺った。
初代理事長の大木智津子さんの思いが実り、平成19年に法人化。平成22年に現理事長の秋山さんへとバトンをつないだ。中央会とは、法人化に当たり丹波農業改良普及センターから紹介されて以来の付き合いだ。
地産地消を謳い活動するグループは多いが、法人化し成功している例は数少ない。秋山氏は「うちは早かったから」と謙虚だが、裏には大変な努力があったに違いない。添加物を使わず、地元丹波で採れているとき、旬のときしか作れないものを届けることにこだわる。「お母さんの味」とは言え家庭の味には留まらない。「うちにしか出せない味」のため研究を怠らない。
商品開発、販路の開拓にも意欲的に取り組んでいる。普通には出荷できないB級品の活用も行う。納豆菌に味噌の麹菌が負けそうになり慌てたこともある。テレビで取り上げられ、受注の多さにフル回転で頑張ったことも。70代を中心としたメンバーにとってイベントなど車で遠出するときはきつく、制約もある。しかし、高齢者が自ら働く場を創出し、さらなる発展を目指す同組合の地域活性化に対する社会貢献度は高い。若手も少しずつだが増えてきた。リピーターのお客さんも多い。ふたりの理事長の頑張りが実を結ぼうとしている。
勉強会、講演会、視察研修会…中央会へよく頼みごとをするという。目当ての講師を招くために「専門家派遣事業」をうまく利用する。持ち前の行動力とフットワークの軽さで多くを吸収してきた。
さらに、経営相談をしたり、仕入れ先を紹介してもらったり、商談会へ呼ばれたり、パンフレット製作をアドバイスしてもらったり…。届出書類の作成など事務系の苦手な部分を補ってくれ、「気軽に声掛けしてくれて、本当によくしてもらっている」と感じる。
イベントにもできる限り参加している。中央会主催で毎年催される「ひょうご特産品フェア」では常連だ。
今後も今までどおりに付き合っていきたいと考えている。「わからないことがあったら、とりあえず中央会さんに聞いてみる」と笑う。
まだ利用していない中小企業や組合に対して「何でも気軽に相談してみられたら?と言ってあげたい」とおすすめの言葉をもらった。