淡路瓦工業組合は、平成16年、淡路島内の1つの工業組合と4つの協同組合を統合して設立された。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)の支援をいかに利用されているのか、専務理事の竹澤氏に話を伺った。
阪神淡路大震災後、建物の構造自体の問題が見過ごされ、瓦の重量が家屋倒壊の主因であったかのような風評が流れた。その払しょくが急務となり淡路瓦工業組合が設立された。中央会とはそのときからの付き合いだ。
淡路は、愛知県の三州、鳥取県の石州と並んで瓦の3大産地と呼ばれている。しかし、瓦の国内需要は減り続け、地場産業としての生き残りもかかっていた。
新しい木造、瓦の家には十分な耐震性能があると実証されていること、そして、瓦ぶき屋根は日本の風土にあっていることを伝えたい。同時に、新商品の開発、新しい瓦の生かし方の提案を続けねばならないと竹澤氏は語る。
そのためには継続的な情報の収集と発信、そしてそれらを組合員へ浸透させることが組合の役目だとも。
中央会から補助事業の情報などを得て、組合員に合った補助金申請を案内したり講師派遣制度などを紹介したりする。メールやファックス、電話までをも使い、個々の組合員へ届くよう腐心している。組合員からも組合へ積極的に働きかけてどんどん利用してほしい。
新しいことに挑戦する組合員にはバックアップを惜しまない。伝統産業ゆえの殻をやぶることも必要だと考えているからだ。新製品の提案には展示会出展も必要となる。販路も見つけなければならない。また、瓦に必要な金型などの設備投資には金がかかる。これらが小規模事業には辛い。そこで、タイムリーに補助を活用できるようにサポートする。
淡路の瓦製造には手作りの工程が残っており、多品種少量生産に向いている。品質も高く、別注にも柔軟に対応できる。
大量生産を得意とするところもあり、和型専門、寺院の瓦専門のところ、また、景観材としての瓦の生産に熱心なところもある。「淡路へ来ればなんでも揃う」ことをPRしていきたい。
新商品開発と販路開拓は組合にとって永遠のテーマであり、これを継続的に行うことで業界全体も活性化すると考えている。商品に付加価値をつけ、その価値を分かってくれるところへ売っていきたい。差別化を図り、瓦の価値の再発見につなげていきたいと願う。
中央会担当者の佐藤はよき理解者だ。いつも丁寧で細やかな対応をしてくれると感じている。困りごとがあると佐藤に相談することも多いという。工業組合対中央会と、団体同士ではあるが個人のつながりがあってこそなのだ。これからも組合のニーズに合った支援の提案が期待されている。