洋風創作うどんKEKKOIは、南あわじ市にあるうどんとスイーツを提供するカフェ。ひとつひとつ心をこめて手作りされるアイシングクッキーも大人気だ。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)主催の「ITでプロモーション大会2015」において優秀賞を受賞した。その取り組みについてオーナーの藤江氏に話を伺った。
中央会を知るきっかけとなったのは、facebookでつながっていた同じ淡路島にある大会参加経験のある経営者の紹介だった。最初は大会参加を渋っていた藤江氏だったが、中央会主催のセミナーで、前年までの参加者たちと交流したことで参加を決めた。中でも2014年に特別賞を受賞したテラコッタアートVASARAの清水氏の一言が響いた。「もしも大会に参加していなかったらと考えただけで怖い。」自分もそう言ってみたいと思った。
SNSの活用が主たる目的の大会だったが、参加してみるとそれだけに留まらなかった。
大会の審査員でもあり、先立って行われるセミナーの講師も務めた道端氏との出会いで店舗運営についても多くを学ぶことになったという。
2枚ある入口のドアのうち、外側は自動ドアだが内側はスライド式だったのを、これでは2枚目の前で立ち止まってしまって入れない!と指摘を受けた…店を知りすぎているから逆に気づくことができなかった。また、メニューを見て写真の質についてもダメ出し…パソコンが苦手なので、Wifi機能付きの一眼レフ購入を勧めてくれた。そのほかにもメニューの内容、書き方、見せ方についても、店内レイアウトについてもきめ細かな指導を受けた。お客様のことを想う店であり続けるにはどうするのか?店のあり方などを見直す機会にもなった。
本題のSNSについても然り。たとえば利用年齢層にあわせた情報発信。facebookは比較的年齢層が高く、近接する高校に通う年代に向けての情報発信はtwitterを利用してさらっと流す。新たにfacebookやInstagramとYouTubeを連動させる試みも始めた。
2015年8月から始めたアイシングクッキーがお客様に好評を得ている。アイシングの写真をアップすると明らかに反応が上がった。それならうどんの情報も抱き合わせでアップしよう!自分でもいろいろと工夫した。
多忙の中だったが、お客様へのアンケートも実施した。結果400件も集めることができ、思わぬ意見に目からうろこが落ちる思いもした。
そういった真面目な取り組みが評価され、優秀賞へとつながった。
お客様との密な連絡をとるためにline@も活用している。アイシングクッキーの注文が殺到する中、ひとつひとつがオリジナルのため、詳細なデザインの打ち合わせが必要となっていた。そんな中、写真を撮って簡単に送れるlineが便利だった。細かな注文も文字で残せるのでやりとりがスムーズに進むようになった。
店を始めたときからの夢『スイーツでもっともっと笑顔になる人を増やしたい』の実現に向けて、保育所や施設を回りたい。アイシングクッキーならきれいで美味しくて日持ちもして最適だと考えている。そのためにもこのままSNSでの発信を続けていきたい。
小規模事業者持続化補助金にもチャレンジし、採択された。補助金申請を行なうことで、現状の見直し、新しい発見や目標の具現化、数字化ができ、夢の実現も近づいてくる。
大会を終えて、清水氏の「参加していなかったらと考えただけで怖い」という言葉が身にしみて分かった。これまで、気づいていなかったことがいっぱい見えてきた。まったくの同感だ。