日藤ポリゴン株式会社は、自社にて設計から組み立てまで一貫製造ができる高い総合技術力をもった工作機械メーカーだ。兵庫県中小企業団体中央会(中央会)の支援をいかに利用されているのか、常務取締役の西原氏、主任の後藤氏に話を伺った。
2013年度、同社では新しいスロッターマシンの開発にあたり、設備面、資金面ともに自社負担の重さがネックとなっていた。
そんなとき、普段から付き合いのあった「けんしん」こと兵庫県信用組合から中央会が行う支援事業のひとつ「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金(ものづくり補助金)」の存在を教えられた。
まずは、中央会のサポートを得て前述の「ものづくり補助金」採択企業に。技術力に裏打ちされた自信、向上心の強さは、支援を行ってきた中央会 岡田も太鼓判を押す。補助金を活用し、見事開発したスロッターマシンは、同社の大きな柱となる事業に育った。
そして中央会の一員として「国際フロンティア産業メッセ2013」へ出展。来場客との出会いのみならず、同じ出展者同士の横のつながりも得た。来年度もぜひ出展したいと考えている。
さらに、中央会と(独)中小企業基盤整備機構(近畿本部)が主催する「ものづくりキャラバン展示会」への参加。ものづくりキャラバン展示会とは、大手企業と情報交流を通じて中小企業が持つ技術を製品開発や販路拡大等に活用できる可能性を探る展示会で優れた技術、オンリーワンの技術の見せ所だ。参加した「ものづくりキャラバン展示会 スペースミーティング with JAXA」では、(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)との情報交流を通じ、宇宙開発に同社の技術を応用する可能性を探った。壮大なテーマに戸惑うも、10年後を見据えた事業、未来の事業などへの「すぐの仕事には結びつかなくても、会社理念の"創造的で信頼性ある商品を創り豊かな社会に貢献する"ための足がかりとなる良い刺激となった」。
現在は2014年度の「ものづくり補助金」申請に向け構想中である。今後も中央会の担当者、専門家の支援を受けながら長い付き合いを続けたいと考えている。付き合いはまだ一年足らずだが、早い時期から親身になった支援が得られたと感じている。それは、同社の技術力、やる気と提案力が傑出していたからに違いない。
次は、壁紙や床材などを扱う東リ株式会社とのものづくりキャラバン展示会だ。東リのシーズにどう応えるのか、同社の強みを如何にアピールするのか、中央会担当者とコーディネーターを交えた熱い議論が続く。
同社は若い社員も多く、今後は中央会主催の様々な講習会、セミナーへの積極的な参加も考えている。