ヒロセエンジニアリング株式会社は、尼崎にて産業設備など主に大型の製缶を手掛けている。鉄工所としてはめずらしく、設計から制作、運搬、据え付け、その後のメンテナンスまで一貫して行う。
さらなる一元化を目指し、プラズマ加工機の導入にものづくり補助金を利用したいと考えた。補助金申請のすべてを担当したのが代表取締役の奥さまの中塩屋さんだった。
一度目のものづくり補助金申請は採択されなかった。そこで、尼崎商工会議所のアドバイスで、採択時に加点対象となる経営革新計画を策定することに。結果、見事ものづくり補助金の獲得に成功。念願のプラズマ加工機が導入された。
同加工機の導入により受注可能な仕事の窓口が広がったことをアピールしたいと考えていた時、偶然知ったプレスリリースのセミナーに参加したのが中央会との出会いだった。
セミナーでは様々なメディアに対応するプレスリリースの方法を実践的に学ぶことができた。お金をかけずに宣伝したいという希望も叶う。ところが、業務の拡大や機材の拡充ではメディアに取り上げてもらうことが難しいことを知る。新製品の発表などの方がフレッシュで目に留まりやすいという。
折しもプラズマ加工機の導入によって大量に出るようになった端材の利用を考え続けていたことが繋がり、新製品開発に本格的に取り組むことになった。
端材と職人の技術をうまく使い、鉄製のキャンプ用品やインテリアグッズを作ってみると、周囲の評判も良好で、それならば自社でネットショップを運営して売ってみようということになった。
人から仕事について聞かれたときに「製缶、鉄工所」と言ってもなかなか理解してもらえないが、一般消費者向けの商品を売り出すことでものづくりの技術についても理解してもらえるようになる。ものづくりの尼崎を盛り上げることもできる。
ネットショップオープンに際しては、小規模事業者持続化補助金を利用した。補助金を利用したことで、実現の期限も決まり、それが励みとなってショップのオープンに漕ぎつけることができた。
新製品開発後は、セミナーで学んだプレスリリース資料の作成を活用し、新聞やラジオに何度も取り上げられるようになった。メディアに出ることで会社の知名度も上がった。
アウトドアシーズンに向けて、自社キャンプ用品のさらなる宣伝を考えている。展示会に参加したりプレスリリースについてももっと勉強したい。兵庫県のいろいろな地域の経営者と知り合える中央会の事業を利用することも増えていきそうだ。